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癌(がん)が治った、癌(がん)が良くなった、癌(がん)が回復した体験談情報
精巣がん化にかかわる遺伝子解明 
京大教授ら 精子幹細胞の増殖も

 精子の元になる精子幹細胞(精原細胞)の増殖とがん化にともにかかわる遺伝子を、京都大医学研究科の篠原隆司教授(分子遺伝学)、李知英東京医科歯科大講師などのグループが突き止めた。精巣がんの原因解明や男性の不妊治療につながる成果で、遺伝子は他の種類の幹細胞の増殖やがん化にもかかわっている可能性があるという。米科学誌「セル・ステム・セル」で2日に発表する。

 篠原教授などは、がん細胞の多くで働いていて、発生や細胞分裂の調節などにもかかわっているRas遺伝子とサイクリン遺伝子のいずれかをマウスの精子幹細胞に導入すると、増殖因子を外から加えなくても幹細胞が増え続けることを発見した。この幹細胞を、マウスの精巣に移植すると、多くは精子にならずにがん細胞になることも分かった。

 いずれかの遺伝子を導入して過剰に働かせることで増殖が強力に促されるため、がんが発生するのではないかという。

 また、精子幹細胞以外の組織や血液などの幹細胞のがん化や増殖でも、二つの遺伝子の働きが関係している可能性があり、細胞の増殖やがん化など再生医療の課題解決の糸口になる可能性がある。
 篠原教授は「精巣がんのモデルを作り、治療法の開発に役立てることが期待できる。精子幹細胞が増殖するメカニズムの研究もさらに進め、男性の不妊治療にもつなげたい」と話している。

2009年7月2日(木) 京都新聞

| 精巣がんが治った体験談 | |
がんと闘い教壇に/横浜の30歳男性

「1日1日を大切に」、

 年間10万人に1人程度しか発症しないという精巣がんと闘いながら教壇に立つ先生がいる。岩崎学園情報科学専門学校横浜西口校(横浜市神奈川区)の加藤将貴さん(30)。昨年末に手術をしたが、ほかのがんより極端に進行が早い病気のため、予断を許さない状況が続く。「死と隣り合わせ」という現実と向き合いながら、生徒とともに今を生きている。

 精巣がんは乳幼児から30代ごろまでが発症しやすい病気。ほかのがんにくらべて治癒率が高いとされる一方、進行が著しく早いという。

 昨年12月暮れ、加藤さんを病魔が襲った。「悪性腫瘍(しゅよう)です。1〜2週間で転移することもある」と医師から告げられ、その日に緊急手術した。当時はまだ20代。「まさにこれからという年齢。もう助からないと思い、手術中は余命をどう過ごすかまで考えた」と、戸惑いは隠せなかった。

 手術は成功。毎月の検査では転移は確認されておらず、日常生活に支障はない。だが、万が一再発すれば抗がん剤治療が始まる。「将来は子供も欲しいし、副作用も怖い。検査前はいつも不安」と話す。「がん患者」になったという現実に、気持ちは落ち込みがちだった。

 それを支えたのは、教育職場だった。復帰後、加藤さんは周囲に病気を明かした。号泣した生徒たち、再発しないように、がんに関する本を贈ってくれた同僚…。メールでも励まされた。

 簿記などが担当科目で、4月からは学科の責任者も担っている。「体のリスクがあるのに重要なポジションを任せてくれた。皆が『大丈夫だから』って背中を押してくれるよう」と加藤さん。

 逆に加藤さんに勇気づけられた生徒も。同校2年の女性(21)は「想像以上に大変なはずなのに、全力で相談に乗ってくれる。だから進路で最高の結果を出して、先生に恩返ししたい」と誓う。

 加藤さんがいつも教壇から生徒に贈る言葉がある。「若いうちはいろんな可能性が広がっている。時間は巻き戻せない分、一日一日を一生懸命、大切に」

 30歳を迎えたばかりの、自分へのメッセージでもある。

2009/06/02 

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