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癌(がん)が治った、癌(がん)が良くなった、癌(がん)が回復した体験談情報
桑田食道がん手術直後に声が出た

 食道がんであることを公表したサザンオールスターズ桑田佳祐(54)が、都内の病院で手術を受けていたことが4日、所属事務所から発表された。食道の一部を切除して胃とつなぐ手術をしたとみられ、数時間にも及んだようだ。所属事務所によると、術後の経過は良好で、麻酔から覚めてすぐに声が出せたり、翌日には少し歩いたりと担当医も驚く回復ぶりをみせている。

 関係者によると桑田は7月30日に入院し、8月2日に手術を受けた。7月12日の健診で「がんの疑い」が発見されてからわずか21日後の手術だった。がんは食道の真ん中より下の胃に近い位置だったようで、桑田が自身のラジオで「胃と食道をつなげる手術」と明かしていることから、がんの部分を切除し胃と食道をつなぐ手術だった。別の関係者によると、開腹ではなく、腹腔(ふくくう)鏡下手術だったとみられる。食道の周囲には、肺や心臓など重要な臓器が密集しており、高度な技術が必要とされることから、一般的に手術は6〜8時間を要するとされている。

 所属事務所は具体的な手術方法と手術時間は明かしていないが「術後の経過も良好で、麻酔から覚めてすぐに声が出せたり、翌日には少し歩いたり、担当の先生も驚かれるほどの回復を見せております」とコメントした。がんはすべて切除され、転移もなく再発のおそれもないという。入院は2〜3週間になる見込みだ。

 桑田は医師から「3カ月、半年と長いスパンでじっくり様子をみましょう」と言われている。自身のラジオでも「手術以降、どのタイミングで回復するか、肉体的にもどうなるかは今の段階では未知数ですが、『1年後にステージに立てるでしょう』とおっしゃっていただいた」と話していた。

 今回のスピード入院とスピード手術は、病理検査で初期のがんと判明した直後に妻の原由子が、かかりつけの医師の幼なじみが、がんの権威であることを思い出した機転から実現した。原は桑田の入院からつきそい、献身的に看病しているという。桑田は「原さんには一生、頭が上がらない」と感謝するほどだった。

2010年8月5日 朝日新聞

| 食道がんが治った体験談 | |
小沢征爾さん食道がんから涙の復帰

 食道がんの治療のため今年1月から音楽活動を休止していた指揮者の小沢征爾さん(74)が1日、長野・奥志賀高原ホテルで、92年から力を注いでいる「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」(10日〜9月9日、長野・松本)の公開リハーサルと復帰会見を行った。

 手術で体重が15キロ減ったが、小沢さんは復帰の喜びで元気いっぱい。「これから第2の人生が始まる! この日(指揮する日)を楽しみにしていた」と前向きに話した。また、7月28日、同じ食道がんであることを公表したサザンオールスターズ桑田佳祐(54)には「ニュースを聞いて驚いた。医学の発達もあるし、まだ(自分より)20歳も若いんだから大丈夫。音楽が助けてくれるよ」とエールを送った。

 小沢さんは昨年末、定期健診を受けたところ初期段階の食道がんと診断された。今年1月末に食道を全摘出する手術を行い、2月に退院した。1月の記者会見では、6月までの公演をすべてキャンセルし治療に専念、「半年後には元気で出てきます」と復帰を宣言しており、見事に公約を守った。

 約6カ月の療養期間は、不安や昨年手術した椎間板(ついかんばん)ヘルニアの腰の痛みに悩まされたという。そんな中、周囲や、特に家族の支えが気持ちを奮い立たせた。家族については「ラグビーで例えるとスクラム組んで応援してくれた」と涙ながらに話した。現在は、体重を戻すために1日に4〜5回食事を取っている。「今年は体の調子を考えて、自分のペースで仕事をしたい」。小沢さんの本格的な復帰は同イベントの「オーケストラコンサート(Bプログラム)」(9月5日)となる。

2010年8月2日 産経新聞

| 食道がんが治った体験談 | |
団鬼六さん、食道がんを公表 手術拒否「生を満喫する」

 腎不全の治療を続けている作家の団鬼六さん(78)が、食道がんになったことを明かした。22日発売の「小説新潮」5月号に「残日録・春――我、ガンになりたり」という手記を発表している。自身のホームページでも同日、「現在、治療経過、至って良好」と記している。

 手記によれば、今年1月に食道がんを告知され、ステージ2であるとわかった。手術を受ければ5年生存率は60%と告げられたが手術は拒否し、放射線治療を選んだという。

 ホームページの「ファンの皆様へ」というあいさつでは、「我は死なぬ為(ため)に延命するは望まず。大いに仕事し、大いに楽しみ、生を満喫するために死ぬまで生きることを欲す」と記している。

 団さんは、2004年ごろから腎不全を患い、当初は人工透析を拒否したことで話題になった。ここ数年は人工透析をし、執筆活動を続けていた。

2010年4月23日 朝日新聞

| 食道がんが治った体験談 | |
胃カメラ検査 心構えが大切 がん早期発見に威力

 「胃カメラ」や「胃の内視鏡検査」と呼ばれる上部消化管内視鏡検査は、多くの人が受ける検査の一つだ。胃だけではなく、食道と十二指腸も調べる。がんなどの早期発見・治療に役立っているが、万能ではない。検査の精度を上げるには、検査に向けた準備や注意点がある。 (鈴木久美子)

 「(胃カメラ検査を受けた際)『食道もよろしく』と依頼すれば良かったのか」

 神奈川県内の男性(69)は残念がる。昨夏、のどが詰まる感じがして病院で検査を受け、進行した食道がんが見つかった。その半年前に、胃カメラを入れて検査し、その時は「問題なし」だった。

 入院先で知り合った食道がんの患者は、初期でがんが見つかっていた。その患者からは、「胃カメラをのむときは毎回必ず、『食道もよろしく』と頼んでいて、見つかった」と聞いた。

 先端部にカメラの付いた直径約九ミリの電子スコープをのどから入れて、食道、胃、十二指腸を観察する「上部消化管内視鏡検査」。胃や食道の初期のがんでも、多くを発見できる。

 しかし、「施設によって発見するレベルや念の入れ方に差はある。中には(胃検診だからと)胃以外は、ほとんど素通りすることもあるだろう」と虎の門病院(東京都港区)の矢作直久・内視鏡部長は懸念する。

 前出の患者の体験談のように、検査時に医師らに一言伝えるのは有効だろうか。

 「漠然とではなく、食道がんにかかるリスクが高い人は、具体的に伝えたらいい」

 リスクが高い人とは、喫煙、飲酒をし、食道がんにかかった血縁親族がいる人。この三つのうち一つでも満たす場合は、「ヘビースモーカーなので食道が心配だ」などと具体的に、問診や検査時に伝える。検査前に、使用している薬の一覧表を医療機関に見せるのも有効だ。

 「検診を受ける間隔も重要だ」と東京都多摩がん検診センター消化器科の水谷勝医師は言う。

 同センターの調査では、内視鏡検査で胃がんが発見された人のうち、前回の検査から二年以内だった人はほとんどが早期で見つかったが、受診間隔が三年以上空いていた人は半数が進行がんだった。

 水谷医師は「五年生存率は、早期がんでは90%以上だが、進行がんでは50%未満。二年に一回は検査を受けるよう勧める」と話す。

 内視鏡検査も万能ではない。数は少ないが、胃壁にもぐってがんが広がるスキルス型胃がんは見逃しやすい。腸に近い部分の胃の壁は、観察しにくい場所もあり「特に注意が必要」と水谷医師。

 ただ早期がんでは、胃も食道も五年に一度の内視鏡検査の方が、毎年エックス線検査を受けるより発見確率は高い。早期がんなら、手術より負担の少ない内視鏡治療も可能だ。

 どういう人が検査を受ければよいか。「四十歳以上や、胃痛、便の色が黒っぽい、体重が急に減った人も胃薬を飲む前に、検査を」と水谷医師は助言する。食道がんの場合は前出のリスクのいずれかを持っている人。胃がんでは、血縁親族に経験者がいるか、ピロリ菌検査で陽性だった人は受けた方がいい。最近、企業が健康診断時に血液検査でピロリ菌も調べ、精密検査で内視鏡検査につなげるところも出てきた。

 検査時ののどの苦痛をなくすため、鼻から内視鏡を入れる経鼻内視鏡も増えてきた。受診者は楽だが、画質は経口より劣る。矢作部長は「どうしてものどからがつらいという人は、受けないよりはいい」。

 「早く見つければ治療できる。無症状でも定期的に検査を受け、自分の身を守ってほしい」と矢作部長は呼び掛ける。

2010年3月26日 東京新聞

| 食道がんが治った体験談 | |
藤田まこと またしても“闘病降板”

 俳優・藤田まこと(76)が「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患」のためTBS・MBS系の連続ドラマ「JIN-仁-」(日曜、後9・00)を降板することが15日、TBSから発表された。収録の参加前に健康診断を受けたところ疾患が認められ、ドクターストップがかかったという。藤田はファクスで「撮影の日を心待ち致しておりましたが、断腸の思いであります」とコメント。代役は中村敦夫(69)が務める。藤田は08年4月にも食道がんのため、舞台を降板している。

  ◇  ◇

 昨年4月にも食道がんで舞台「剣客商売」を降板した藤田が、今度は慢性閉塞性肺疾患の治療に専念するため、新門辰五郎役で出演予定だったTBS系「JIN-」を降板することになった。今月上旬の定期検診で肺疾患が発見され、同中旬から予定されていた収録への参加を断念した。

 関西在住の藤田は昨年、食道がんの手術を終えて12月にはテレビ朝日・ABC系「必殺仕事人2009」で復帰したが、実はその収録も京都のリハビリセンターから撮影所に通う形で行っていたという。今回のドラマ収録は東京で行われているため、つぶさに様子を見守ることができない危険性を主治医が指摘。梗塞(こうそく)の前兆である脱水、貧血の症状もあったため、藤田も入院して治療に専念する道を選んだ。

 またしても病に仕事を邪魔された藤田は「作品の魅力に加え、スタッフ・出演者の皆さまとの出会いを楽しみに撮影の日を心待ち致しておりましたが、断腸の思いであります」と悔しさをにじませている。高視聴率ドラマでもあり、意欲を持って東京でのホテルや移動車の相談などもしていたという。年内は「仁-」だけに仕事を絞っていたためほかへの影響はなく「一日も早い復帰に努めて参る所存でございます」と情熱を燃やしている。

 新門辰五郎は江戸時代に実在した火消しで、劇中では9、10、11話に登場し、主人公・仁(大沢たかお)のよき理解者となる役どころだった。

2009年11月16日 ディリースポーツ

| 食道がんが治った体験談 | |
診療科の連携希望つなぐ

東京都杉並区の出版社社長、石井慎二さん(68)は、
人間ドックで食道がんが見つかり、一昨年4月、東京・江東区の癌研有明病院を受診した。

 内視鏡とCT検査の結果、がんは食道を突き破り、食道から道いリンパ節にまで転移していた。がんの進み具合を表す病間は、最も進んだ4間だという。4期では、がんが体のあちこちに転移している可能性が高いため、通常、手術は行わない。消化器外科医の瀬戸泰之さん(現・東大病院胃食道外科教授)からは、放射線の照射と抗がん剤の点滴を同時に行う「化学放射線療法」を勧められた。

  「4期の場合、この治療で3割程度の人のがんが一度は消えますが、再発することもあり、治るかどうかは……」と瀬戸さんは言う。

石井さんは、翌5月から7月にかけて治療を受けた。1か月後、がんは縮小したが、消えてはいなかった。残念だったが、あきらめなかった。「まだ打つ手はある」と聞いていたからだ。
 化学放射線療法の後でがんが残ったり再発したりした場合、同じ治療法にはもう期待できない。手術も通常は危険だ。体力が落ちるうえに、強力な放射線の照射で組織が硬くなったり、血液の循環が悪化したりしているためだ。

 しかし、食道がんの手術経験が豊富な医療機関では、化学放射線療法の後でも手術を行うケースが少しずつ増えてきた。患者の体力に問題がない場合、残ったがんや、がんが残っている可能性のあるリンパ節など最小限の範囲を慎重に切除すれば、治癒や延命につながる例も出てきたからだ。

 瀬戸さんから、手術を提案された。
ただ、完全に治るかどうかは分からないという。9月に手術を受けた。食道のがんとともに切除したリンパ節55個からは、幸い、がん細胞は見つからなかった。以来、検査は4か月に1回、2年以上過ぎた今も再発は見つかっていない。「僕は治る希望を持っています」とほほえむ。

 化学放射線療法後の手術は技術的に難しく、手術による死亡率も通常より高い。手術実績のある医療機関で受けることが大切だ。「進行食道がんでは、抗がん剤も放射線も手術も、完全な治療法とは言えない。うまく組み合わせることで、希望をつなげるのです」と瀬戸さん。

食道がん治療では、経験の豊富さに加え、外科、内科、放射線科の連携が重要だ。

2009年10月25日 読売新聞

| 食道がんが治った体験談 | |
「温存」へ化学放射線療法

食道がんの進み具合は、0から4までの5段階ある。残念ながら、最も進んだ4期です」
 2006年2月、名古屋市の愛知県がんセンター中央病院。同市の鵠渾澪子さん(76)は、医師の説明を聞いても、それほど動揺しなかった。

 のどが詰まる感じがして近所の医院を受診、異常が見つかり、がんセンターを紹介された。その半年ほど前、長年連れ添った夫が病死したばかり。「もう死んでもいいや」とも思った。がんは、食道の壁を突き抜け、胸側に隣接する気管支にまで進んでいた。CT画像では首や胸のリンパ節が腫れ、転移が見て取れた。すでに、手術ではがんを取り切れない段階だ。

 しかし、説明に当たった薬物療法部長の室圭さんからは「厳しい状況だが、治せる可能性はある」
と言われ、勧められた治療法を受けることにした。
 放射線を1日数分間、土日を除いて計30回、通院しながら受ける。同時に、5FUシスプラチンという2種類の抗がん剤の点滴を96時間連続して投与。これを入院して2回受ける。「化学放射線療法」と呼ばれる治療法だ。

 この治療を2月下旬から4月上旬まで受け、さらに追加の治療として、7月までに抗がん剤のみの治療を2回受けた。食欲の低下、吐き気、軽い脱毛などの副作用にも耐えた。

 そして8月。内視鏡とCT検査を受けると、がんはすべて消えていた。治療から3年以上が過ぎ、今も再発はない。
十数年続けているフォークダンスを週に数回、仲間たちと楽しむ。「これからも人生を楽しみたい」とほほ笑んだ。

 鵠潭さんは幸運にも経過は順調だが、手術ができない患者で、化学放射線療法から3年後に生存しているのは5人に1人にとどまるのが現状だ。

 手術の対象になる2期や3期の場合、化学放射線療法と手術で治療成績はほぼ同じ、という報告もある。患者にとって食道を残せる利点は大きく、この治療法を選ぶ患者も増えてきた。

 その中で昨年、手術が可能な進行がんへの化学放射線療法は、事前に抗がん剤を投与して行う手術よりも治療成績がやや劣る、という報告が発表されており、手術と化学放射線療法の優劣は一概には言い切れない面がある。 
室さんは「正常な臓器に障害を与えない放射線照射の技術も進んでおり、この治療法は発展していくはず」と期待している。

| 食道がんが治った体験談 | |
内視鏡でも一度に切除

千葉県木更津市の自営業 吉田修さん(62)は、腹部の違和感のため、一昨年4月、東京都内の病院で内視鏡(胃カメラ)検査を受け、食道がんが見つかった。

 がんは幸い、早期らしかったが、食道の内側の円周の4分の3にまでぐるりと広がっていた。医師は「うちの病院だと外科手術で食道を切除することになるが、内視鏡治療でがんを取れるかも」と、東京・虎ノ門の虎の門病院を紹介してくれた。

 食道がんは、内側の粘膜に発生し、深く進んでいく。
がんが粘膜にとどまっている場合は、リンパ節への転移がほとんどないため、内視鏡治療で切除できる。食道が残るので、治療前と変わらない食生活を送れる。
 金属の輪をがんの根元にかけ、高周波電流を流して焼き切るのが一般的だが、一度に取り切れるがんの大きさは直径2cmほど。大きながんは、何度も分けて切除しなければならず、がんの端を焼き切るため、取り切れたかどうかの診断がつけにくくなる。

 虎の門病院で行っているのは、胃がんで普及している「粘膜下層剥離術」という内視鏡治療だ。特殊なメスで、がんのある粘膜の下の粘膜下層からはがしとる。
これなら、どんな大きながんでも一度に切除できる。 吉田さんもその年の6月、この方法でがんを切除。すぐに普通に食事ができるようになったが、しばらくすると食べ物が食道に詰まるようになった。

 内視鏡で大きく切除したため、傷跡が治る過程でひきつれを起こし、食道が挟くなったのだ。吉田さんの場合、普通は2、3cmある食道の直経が、5、6mmにまで狭くなっていた。そこで、内視鏡を挿入し、狭くなった部分を、風船を膨らませて拡張する治療を、7月から翌年1月まで計13回受けた。今では以前と同じように食事ができるようになった。

 食道がんに粘膜下層剥離術を行っている医療機関は、まだそれほど多くはない。胃に比べて食道の空間は狭いため、内視鏡など機器の操作が難しく、さらに壁(固有筋層)も薄いため、操作を誤ると食道に穴が開きやすいからだ。

 昨年から保険が使えるようになり、今後、普及するとみられる。同病院内視鏡部長の矢作直久さんは「食道がんの患者数は少ないため、治療件数は一定の指標になる」と話している。

読売新聞8月30日付「病院の実力食道がん」で、内視鏡治療の実施件数を紹介している。

2009年10月21日 読売新聞

| 食道がんが治った体験談 | |
内視鏡検査で偶然発見

「胃はきれいですね」。札幌市で建築資材の販売会社を経営する若林繁雄さん(69)は、ホッとした。2004年1月、市内の病院の人間ドックで、内視鏡(胃カメラ)検査を受はた時のことだ。

 ところが、内視鏡を抜いていた医師が、「あれ?」と声を出した。食道に気になる病変がある、という。
細胞を取って検査に回し、数日後、医師から「悪性の腫瘍」と告げられた。
 「食道がん、が...」。
どんな病気なのか。治るのだろうか。
俺が死んだら家族や、自分で作り上げた会社や従業員はどうなる。三回三晩、悩み続けた。

 毎年国内で新たに見つかる食道がん患者の数は、1万6000人余り。
胃がん(約11万人)、大腸がん(約10万人)、肺がん(約8万人)などに比べて少ないが、
転移しやすいため治療が難しく、毎年1万1000人以上が亡くなる。患者は5対1で男性が多い。
 食道は、のどと胃をつなぐ長さ25cmはどの管状の臓器。
食道がんは、その管の内側の粘膜に発生し、徐々に深く進行していく。

 初期の段階では、症状が表れないこともある。若林さんがそうだった。食べ物をのみこんだ時に胸の奥がチクチク痛む人もいる。がんがさらに大きくなると、食べ物がつかえる感じがし、実際につかえてしまう。

 若林さんは、一晩で日本酒一升瓶を1人で空け、さらにウイスキーを飲むはどの大の酒好き。たばこは、がんが見つかる3年前まで1日平均90〜100本吸っていた。
 酒とたばこは、食道がんを引き起こす最も大きな危険因子だ。それぞれ単独でも良くないが、両方の習慣があるとさらに危険性が増す。
若林さんは酒に強いタイプだが、酒を飲むとすぐに顔が赤くなるタイプの人ほど、飲酒で食道がんになりやすい。

 検査には、バリウムを飲んで調べるエックス線検査もあるが、最も確実なのは内視鏡検査。
虎の門病院内視鏡部長の矢作直久さんは
 「がん検診や人間ドックでは、胃がんの患者数が多いため、
医師は胃を中心に見がち。酒とたばこの習慣がある人は、
検査の際、食道もよく見てくれるよう医師に伝えて」と助言する。
 食道がんの知識がなかった若林さんは、複数の医師に意見を聞いた。
どうやら大変な病気らしい。
そして勧められたのが、札幌市の恵佑会札幌病院だった。「そこでの治療に懸けよう」と決めた。

手術数施設で大きな差

2004年2月、人間ドックで食道がんが見つかった札幌市の会社社長、若林繁雄さん(69)は、同市の恵佑会札幌病院を受診した。食道がんの治療では全国的にも有名な病院だ。

 改めて検査を受け、後日、院長で消化器外科医の細川正夫さんから説明を聞いた。
がんは進行がんではなく、手術で完治できる確率が高いという。

 食道がんの手術は、がんのある食道と周囲のリンパ節をすべて切除し、代わりに胃を細長く筒状に伸ばして、のどの部分でつなぐのが基本。首、腹、右胸の3か所を切開し、手術は5〜7時間かかる場合も多い。

 細川さんによると、食道がんは転移しやすく、首、胸、腹の3方向に散らばる。このため手術では、転移の恐れのあるリンパ節を数多く取り除かなければならない。しかし、食道の周囲には、傷つけると命にかかわる心臓や肺など重要な臓器や大動脈があるため、高度な技術が要求される。

 ところが、食道がんの患者の数は、同じ消化器でも胃がん大腸がんほど多くないため、1人の医師が経験する手術の数が限られ、技術を磨きにくいという。
 今年7月に読売新聞が実施した「病院の実力」アンケートでは、昨年1年間に同病院が行った手術件数は1139件。

回答した全国319医療機関の中で最も多かった。
一方、年間10件未満の施設は177施設で全体の半数を超え、施設による症例数の差が大きかった。
「患者数が少ないのだから、手術を行う病院を絞り、医師の技術の向上を図るべきだ」と細川さん。

ただし、手術だと食道を失うため、食事面など生活の質が下がる。抗がん剤と放射線を組み合わせた治療法も提示されたが、若林さんは細川さんの実績を信頼し、手術を選んだ。5年たった今は、手術後に減った体重も持ち直して元気だ。

 近年では、「胸腔鏡手術」を行う施設も徐々に増えてきた。体に小さな穴を数か所開け、小型カメラや器具を入れてがんを切除する。体の負担が少ない長所がある。
一方、進行がんに対しては、手術の後に抗がん剤を投与する治療法も広く行われてきた。残っている恐れのある微細ながん細胞をたたき、再発防止を狙う。

 しかし、昨年発表された国内の臨床試験の結果では、前もって抗がん剤を投与したうえで手術を行う方法の方が、手術後の投与よりも生存率が高かった。今後はこの方法が普及しそうだ。

2009年10月20日 読売新聞

| 食道がんが治った体験談 | |
食道がんは手術前の放射線治療が普及、早期なら粘膜下層剥離術

 日本で年間1万1000人余りが死亡する食道がん。飲酒や喫煙による影響が大きく、男性の患者が女性の5倍以上多い。胃がんや大腸がんに比べ再発しやすく、治療が難しいがんの一つだ。

 治療法には大きく分けて、手術、内視鏡治療、放射線治療(主に抗がん剤を併用する化学放射線療法)がある。

 読売新聞は、全国のがん診療連携拠点病院、特定機能病院など計539病院にアンケート調査を実施、318病院から回答を得た(回収率59・0%)。一覧表には、紙面の都合で、手術と内視鏡治療、抗がん剤併用の放射線治療件数の合計数が多かった施設を掲載した。

 がんが粘膜にとどまる早期がんなら、口から管を入れてがんを切除する内視鏡治療でよく治る。従来の方法よりも一度に広い範囲のがんを取れる「粘膜下層剥離(はくり)術(ESD)」は、胃がんに続いて食道がんでも普及しつつある。粘膜表面からやや進んだがんの場合は、一部を除いて手術や放射線治療などが行われる。

 がんが粘膜を超えて進んだ場合は、手術で食道をすべて切除するのが基本だ。食道と周囲のリンパ節を取り、代わりに胃を細長い筒状にし、のどの部分でつなぐ。体の中心を通る食道の周囲には心臓や肺などの重要な臓器があるため、大がかりで難しい手術だ。

 従来は手術単独か、手術後に抗がん剤治療を加えるのが一般的だったが、近年は、手術の前に抗がん剤や放射線治療を行い、がんを小さくしたうえで手術する方法が普及してきた。今回の調査でも、回答施設の68%が、手術前に抗がん剤や放射線治療を実施していた。

 これに対し、放射線治療は従来、体力的に手術が難しい高齢者や手術が不可能なほどがんが広がっている場合に用いられてきたが、この10年の間に、患者が望めば、手術が可能ながんにも行うことが増えた。手術を上回る治療成績は得られていないが、食道を温存できるため、治療前とほぼ変わらない食生活が送れる利点がある。

 抗がん剤治療と並行して行うのが現在の一般的な方法だ。一覧表の放射線治療件数には、手術を前提とした治療は含めていない。

 東大病院胃食道外科教授の瀬戸泰之さんは「食道がん手術は、医師の技量が治療結果を左右する」と語る。欧米では、手術件数が少ない施設ほど死亡などの割合が高まるとの研究報告がある。瀬戸さんによると、1施設あたりの年間手術件数は20件以上が望ましいといい、今回の調査では74施設(23%)あった。

 手術件数が多い施設は放射線治療の件数も多い傾向がみられる一方、特定の治療だけが突出して多い施設もいくつかあった。また70%の施設で、外科や内科、放射線科などが合同して治療法などを話し合う会議を開いていた。「食道がんの治療は組み合わせも多様なので、診療科の連携が不可欠」と瀬戸さん。治療を受ける際は、治療法の長所、短所を丁寧に説明してくれる施設を選びたい。

2009年8月30日 読売新聞

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